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DEEPOT / コラム

イベント用品レンタルのダブルブッキングを防ぐには?在庫の空き確認を「電話・Excel・ホワイトボード」で比べる

2026年10月31日 文:前山 大地(展示会・イベント用品のレンタル業で現場と営業を経験)
営業担当者が電話で在庫を確かめ、倉庫スタッフがホワイトボードの予約表の重なりを指さしている様子

レンタルの仕事で一番困るのは、同じ品物を、同じ期間に、2つの案件へ約束してしまうことです。いわゆるダブルブッキングです。

見つかるのが早ければ、ほかの拠点から回す、協力会社から借りる、似た品物で相談する、といった手が打てます。見つかるのが搬入の直前だと、打てる手が一気に減ります。

私の現場でも、ダブルブッキングはありました。起きやすかったのは、モニターやショーケースのように、数の限られた品です。特に多かったのは、同じイベント・催事に出展する別々の会社から、同じ品の注文が重なるケースでした。注文が同じ時期に集中する繁忙期に、何がどこに出ているかを把握しきれていなかったのが原因です。

ある時は、倉庫が手配書を確かめる段階で気づきました。幸い本体の数は足りましたが、組み立てに使う部材が足りず、遠くの拠点から急いで取り寄せることになりました。

同じ品物の注文書が2枚重なっていることに気づき、困った顔の営業担当者
同じ品の注文が、同じ期間に2件。気づくのが遅いほど、打てる手が減る

この記事では、ダブルブッキングが起きやすい場面と、在庫の空き確認のやり方(電話・Excel・ホワイトボード)の向き不向き、紙やExcelでも始められる5つのルールをまとめます。日付が重なる貸出の数え方そのものは、「イベント用品レンタルの在庫管理をExcelで続ける時の限界と工夫」に書きました。今回は、その手前の「空きを確かめて、約束するまで」の話です。

ダブルブッキングが起きやすい場面

在庫の数そのものを間違えるより、「空いている」と答えた後に、別の約束が入ることで起きる場合が多いと考えています。

在庫の空き確認、3つのやり方を比べる

空き確認のやり方は、会社の規模や品物の数で向き不向きがあります。どれが正しいというより、自分の会社の弱いところがどこかを見るための比較です。

倉庫へ電話で聞くExcelの予約表ホワイトボード・壁のカレンダー
答えの速さ相手がつかまれば早い。不在だと待つ開けばすぐ。ただし表が最新ならその場に行けばすぐ
答えの確かさ倉庫の人の記憶と、棚の実物に頼る書き込みが漏れていなければ確か書き込みが漏れていなければ確か
何人もが同時に使う聞くたびに倉庫の手が止まる同時に直すと、片方が消えることがある外出先・ほかの拠点からは見えない
記録が残るか残らない(言った・言わないになりやすい)残る消すと残らない
向いている会社品物が少なく、倉庫の人がすべて把握している品物・案件が多く、書き込む人が決まっている拠点が1つで、みんなが同じ部屋にいる
電話で倉庫に聞く、ノートPCの表を見る、ホワイトボードの予約表を指す、の3つの場面
電話・Excel・ホワイトボード。どれも、どこかに弱いところがある

実際には、この3つを組み合わせている会社が多いと思います。そのとき気をつけたいのは、どれが「正本」なのかを決めておくことです。電話で聞いた答えと、Excelの表と、ホワイトボードがそれぞれ少しずつ違うと、どれを信じればいいか分からなくなります。

私の現場では

空きの確認は、倉庫への直接確認でした。担当者に聞くか、現物を見に行く。表の数字より、現物の方が確実だったからです。

ただ、確かめるたびに時間がかかります。管轄外の地域の在庫は、電話して、そのつど確認してもらう必要がありました。繁忙期や大型催事の時期は、その催事の担当者にも確かめなければなりません。お話を伺った同業の会社では、商品ごとにExcelで在庫を持ち、そこから自分で引いていくやり方でした。品物が少なく、書き間違いが無いことが前提なら回る方法だと思います。

紙やExcelでも始められる、5つのルール

1. 「仮押さえ」と「確定」を分けて書き、仮押さえに期限を付ける

見積を出した段階の案件は、決まるかどうか分かりません。かといって、まったく押さえないでいると、決まったときに品物が無いことがあります。そこで、予約表に「仮」と「確定」の区別と、仮押さえの期限(例:11月15日までに返事が無ければ外す)を書きます。期限が来た仮押さえは、誰が見ても外してよいと分かります。

私の現場では、見積の段階では押さえていませんでした。それでも在庫があるかは確かめるので、確かめる手間だけが二重にかかります。特に数の少ない品は気になっていました。本当は、予約表の上で見積段階の案件を薄いグレーなどで見せておきたかった。そうすれば周りにも伝わり、あとで重なったときに、その案件の担当者へ連絡もできます。

予約表の中の薄いグレーの帯(仮押さえ)を倉庫スタッフが指さし、営業担当者が気づいて連絡しようとしている様子
見積段階の案件が薄いグレーで見えていれば、重なる前に担当へ声をかけられる

2. 貸出期間は「倉庫から出る日」から「次に貸せる日」までで数える

お客様が使うのは3日間でも、搬入の前日に積み込み、戻ってから検品や清掃、補修をすれば、倉庫から離れている期間はもっと長くなります。予約表には倉庫から出る日と次に貸せるようになる日を書き、その間を押さえます。私の現場では、閑散期は戻ってすぐ次に貸せましたが、繁忙期は検品や片付けが追いつかず、1週間ほど遅れることもありました。冷蔵の品や仕組みの複雑な品は、戻ってからいつ貸せるかが読みにくいので、日数を多めに見ておくと安心です。

3. 在庫の正本を1つに決める

拠点ごと・担当者ごとに表を持つと、合計が見えなくなります。予約表は会社で1つにして、拠点は1つの列で持ちます。ホワイトボードを使う場合も、「最後に正しいのはExcelの表」のように、どちらが正本かを決めておきます。

4. 空きの答えに「何時時点か」と「誰が確かめたか」を付ける

「空いています」と答えた30分後に、別の案件で押さえられることがあります。お客様や社内に答えるときは、「10月31日15時の時点で、30台空いています(倉庫の〇〇さん確認)」のように、時点と確かめた人を添えます。あとで食い違ったときに、どこで行き違ったかを追えます。

5. 足りないときの手を、先に決めておく

ダブルブッキングをゼロにするのは難しいので、見つかったときに何をするかを先に決めておきます。

  1. ほかの拠点にあるか:あれば、いつまでに動かせば間に合うか
  2. 協力会社から借りられるか:どこに、誰が連絡するか
  3. 似た品物で代えられるか:お客様に相談するときの言い方も決めておく
  4. どちらの案件を優先するか:先に確定した方、など社内の決まり

私の現場では、足りないときはまずほかの拠点から引っ張ってきました。ただ、運ぶ費用はお客様に請求できず、その分はそのまま赤字になります。協力会社から借りる手もありますが、手間が増え、利益も落ちるので、できれば避けたい手でした。

一番大変だったのは、お客様とのやり取りです。なんとか数がそろえば良いのですが、本当に足りないときは、値引きや代わりの品の提案で交渉することになります。ふだんの仕事に使うはずの時間と労力が、ここで大きく持っていかれました。

予約表の書き方の例

上のルールを入れた予約表は、たとえば次のようになります(例え話です)。

品物数量案件状態倉庫から出る日次に貸せる日拠点書いた人・日時
長机 W180030A社 展示会確定11/1911/24本社倉庫前山 10/28 10:12
長机 W180025B社 式典仮(11/15まで)11/2111/25本社倉庫佐藤 10/30 16:40

長机が本社倉庫に50台なら、11月21日〜23日は55台必要になり、5台足りません。仮押さえの段階で気づければ、B社に返事をする前に、ほかの拠点や協力会社を当たれます。Excelなら、「仮」の行の色を薄いグレーにしておくと、確定とひと目で見分けられます。

よくある質問

レンタル品のダブルブッキングを防ぐには、何から始めればいいですか?

まずは予約表に「仮」と「確定」の区別と、仮押さえの期限を書くところから始めるのがおすすめです。次に、貸出期間を「倉庫から出る日」から「次に貸せる日」までで書くようにします。どちらも、今の表に列を1つか2つ足すだけで始められます。

見積を出しただけの案件も、在庫を押さえるべきですか?

会社の考え方次第ですが、押さえない場合は、決まったときに品物が無いことがあります。押さえる場合は、決まらなかった案件がいつまでも在庫を止めてしまいます。「仮押さえ」として区別し、期限を付けるのが、両方の困りごとを減らす方法です。

ダブルブッキングが見つかったら、まず何をすればいいですか?

どちらの案件が先に確定していたかを確かめ、社内の決まりに沿って優先する案件を決めます。そのうえで、ほかの拠点、協力会社、似た品物の順に当たります。お客様への連絡は、代わりの案を用意してから行うと、話が進めやすくなります。

まとめ|空きを「答える」ところに決まりを作る

ダブルブッキングは、数え間違いより、空きを答えたあとの行き違いで起きることが多いと考えています。紙やExcelでも、次の5つで減らせます。

  1. 「仮押さえ」と「確定」を分け、仮押さえに期限を付ける
  2. 貸出期間は「倉庫から出る日」から「次に貸せる日」までで数える
  3. 在庫の正本を1つに決める
  4. 空きの答えに「何時時点か」と「誰が確かめたか」を付ける
  5. 足りないときの手を先に決めておく

私は、見積や受注の数が在庫から自動で引かれる仕組みが欲しいと、ずっと思っていました。ただ、予備として多めに持ち出す、現場で壊れて追加で持ち込む、といった動きがあるので、実際の数を追い続けるのは簡単ではありません。営業が何人もいて、拠点が2つ以上あり、案件が多い会社では、表を正しく保つ手間そのものが重くなります。そこから先は、案件の内容から在庫の空きが自動で計算される「仕組み」の話になります。私が作っているDEEPOTは、そこを目指した業務システムです。

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DEEPOTについて

DEEPOTは、展示会・イベント用品のレンタル会社向けの業務システムです。受注した案件の品物は、納品日から回収日まで、在庫の空きから自動で差し引かれます。見積を作る画面でも、在庫の空きを確かめられます。数量や商品が変わっても、案件の明細を直せば、見積書・手配書を同じ情報から出し直せます。まずは営業から始められ、倉庫や配送は、今までのやり方を変えずに使えます。登録なしで触れる体験用の画面(架空のデータ)があります。今お使いの見積書や在庫表を1点もとに、DEEPOTでできること・今までどおり必要な作業をA4・1枚で比べる資料も、無料でお作りしています。