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DEEPOT / コラム

イベント用品レンタルの手配ミスを防ぐには?現場経験から見えた5つの工夫と限界

2026年10月28日 文:前山 大地(展示会・イベント用品のレンタル業で現場と営業を経験)
営業担当者と倉庫スタッフがレンタル用品の手配書を一緒に確認する様子

手配ミスは、どれだけ気をつけていても、起きてしまう時期がありました。

特に、変更が増える大型催事の前や繁忙期に、「変更したはずの内容が、現場まで伝わっていなかった」という行き違いが起きました。

起きたときは、お客様にお詫びして、不足した品を急いで手配して届ける。あるいは、値引きでお詫びする。どちらも、費用の面でのマイナスは小さくありませんでした。

この記事は、展示会・イベント用品のレンタルの現場で、手配ミスを減らすために、実際にやってみたこと、やっていなかったこと、そしてそれでも残った限界をまとめたものです。在庫の数え方については、前回の記事「イベント用品レンタルの在庫管理をExcelで続ける時の限界と工夫」にまとめました。今回は、決まった内容を現場へ正しく伝える「手配」の話です。

イベント用品レンタルで手配ミスが起きやすい場面

イベント用品のレンタルは、同じテーブルや椅子を貸し出す場合でも、案件によって納品先、使用期間、搬入時間、設営方法などが変わります。特に展示会や大型催事では、開催直前まで内容が調整されます。

こうした変更自体は、珍しいことではありません。私の経験では、ミスが重なるのは、変更が増える大型催事の前や繁忙期、拠点の移動のような突発的な出来事があるとき、そして社員の出入りが激しい時期でした。問題は、変更した内容が、関係する担当者全員に伝わっているかどうかです。

見積書と手配書の内容が食い違う原因

ひとつの案件には、見積書、受注内容の控え、倉庫への手配書、配送の納品書など、複数の書類が出てきます。同じ商品名や数量、日付を何度も書き写していると、修正漏れが起こりやすくなります。

たとえば、こんな場合です(例え話です)

ショーケースを10台レンタルする予定が、お客様の連絡で12台に変わった。営業担当者は見積書を12台に直したが、先に印刷していた倉庫用の手配書は10台のまま。

見積書と手配書の数量が10台と12台で異なり、確認する営業担当者
見積は12台、手配書は10台のまま。どちらが最新か、すぐには分からない

ここで考えたいのは、誰が間違えたかではありません。どの書類が最新なのか、誰が見ても分かる状態になっているかという点です。

現場でやってきた5つの工夫と、分かった限界

手配ミスを減らすために、次の5つを考えました。私の現場で実際にやったものと、やっていなかったもの、そしてやってみて分かったことを、正直に書きます。

営業・倉庫・配送の担当者が共通の手配書を確認している様子
最新の手配書を、3人が同じ紙で確かめる

1. 案件ごとに共通の管理番号を付ける

やり方:案件を識別する番号を決め、見積書、手配書、納品書に同じ番号を書きます。書類同士の関係が分かります。

現場で分かったこと:番号自体は付けていました。ただ、その場でのやり取りがあると、番号の外で例外が生まれます。営業・顧客情報を管理するツール(SFA)で対処していましたが、見積書や手配書と二重入力になる前提で、作業が重くなりました。Excelのマクロで補っていた部分もありますが、精度は十分ではありませんでした。

2. 書類に更新日時を残す

やり方:手配書を直すたびに、更新した日付と時刻を書きます。

現場で分かったこと:更新日は残していました。それでも、メールのやり取りの中でミスが起きました。書類に日付があっても、メールで届いた最新の指示が書類に反映されていなければ、どちらが最新か分からなくなるからです。

3. 変更内容を別に記録する

やり方:書類全体を直すだけでなく、変更した部分(何が、いつ、変更前と変更後、誰に連絡したか)を別に残します。

現場で分かったこと:これは、私の現場ではやっていませんでした。取り入れる価値はあると思います。ただ、案件は基本的に担当者が1人で対応します。その人が登録しなければ、案件の中身は本人にしか見えず、担当者以外には状況が分からない状態になります。記録の方法を決めても、書く人が1人なら、「その人しか知らない」状態は変わりません。

4. 手配の確認項目を統一する

やり方:商品名、数量、搬入日時、搬入口、設営の有無、撤収日時など、最低限の確認項目を決めて、担当者が変わっても同じ項目を確認します。

現場で分かったこと:配送は、基本的に納品書を持って行きます。納品書に書かれていないことは、現場からは分かりません。お客様との間でどんなやり取りがあったかまでは、見えないのです。確認項目を決めても、その経緯が見えなければ、確認のしようがない場面がありました。現場のスマホから案件の内容を確認できる仕組みがあれば、この点は変わると考えています。

5. 最新の書類を置く場所を決める

やり方:最新の手配内容を確認する場所をひとつ決め、メールや口頭で伝えた変更も、最後にそこへ反映します。

現場で分かったこと:最新の内容は、チャットツールに流していました。ただ、ほかの案件の連絡も同じ場所に流れるので、埋もれてしまいます。「最新はどれか」を探す手間が、ミスの入口になりました。置き場所を決めるだけでは足りず、探さなくても、常に最新が見える形が必要だと感じました。

催事の直前に変更が入ったとき

大型催事では、搬入前日や当日に変更の連絡が入ることがあります。そんなときは、変更を受けた担当者だけで完結させず、影響する工程を確認します。たとえば展示台が5台増えるなら、商品を用意できるかだけでなく、トラックの容量、搬入する人員、設営スペースも確認が必要です。おすすめの順番は次のとおりです。

  1. 変更内容を記録する:何が、いつ、どのように変わったか
  2. 影響する担当者を確認する:営業・倉庫・配送・設営のどこに関係するか
  3. 対応の可否を判断する:商品や車両、人員などに問題がないか
  4. 変更を共有する:関係する担当者に最新情報を伝える
  5. 確認結果を残す:誰が確認したか、未確認の事項がないか

特に大切なのは、連絡したことと、相手が確認したことを分けて考えることです。メールを送っただけでは、相手が読んだかどうか分かりません。重要な変更では、確認済みの記録を残すと、後から状況を振り返りやすくなります。

直前に変更が入ったときの確認表

確認すること確認する相手・書類
商品・数量は最新か見積書・手配書
在庫の手配は済んだか倉庫
トラックに積めるか配送
搬入時間・搬入口は正しいか現場
変更を関係者が確認したか営業・倉庫・配送

この確認表を、1案件1枚で書き込めるシートにしました。→ 大型催事の直前変更チェックシート(印刷して使えます)

担当者が変わっても困らない情報共有の方法

社員の出入りが激しい時期は、案件の状況が担当者の頭の中にしかないと、引き継ぎで抜けが出ます。そこで、案件の現在地を見えるようにすることをおすすめします。たとえば、案件ごとに次のような進捗を記録します。

見積中 → 受注済み → 手配確認中 → 準備中 → 配送待ち → 搬入完了 → 返却完了

案件の進捗ボードを使って倉庫スタッフへ手配内容を共有する担当者
案件の現在地が見えれば、担当者が休みでも引き継げる

さらに、担当者、次にやること、未確認の項目を添えます。最初から複雑な管理表を作る必要はありません。まずは、進んでいる案件をひとつ選び、担当者以外の人でも状況が分かるか確認してみてください。分からない部分が、情報共有を直す出発点になります。

よくある質問

イベント用品のレンタルで手配ミスを防ぐには、何から始めればいいですか?

紙やExcelでも始められるのは、案件ごとの管理番号をそろえる、書類に更新日時を残す、変更内容を別に記録する、確認項目をそろえる、最新の書類を置く場所を決める、の5つです。最初から複雑な管理表を作る必要はありません。まずは進んでいる案件をひとつ選び、担当者以外の人でも状況が分かるか確かめてみてください。

見積書と手配書で数量が違っていたら、どうすればいいですか?

誰が間違えたかではなく、どの書類が最新かを先に確かめます。変更の記録(何が・いつ・変更前と変更後・誰に連絡したか)があれば、それに合わせて書類をそろえ、倉庫や配送へ伝えたうえで、相手が確認したかまで確かめます。

搬入の前日に数量や搬入時間が変わったら、何を確認すればいいですか?

商品・数量は最新か(見積書・手配書)、在庫の手配は済んだか(倉庫)、トラックに積めるか(配送)、搬入時間・搬入口は正しいか(現場)、変更を関係者が確認したか、の5点です。メールを送っただけでは相手が読んだかは分からないので、連絡したことと相手が確認したことを分けて記録します。

直前の変更で使える確認表は、印刷して使えるチェックシートにもしています。

まとめ|紙やExcelでできることと、その先

手配ミスを減らすには、注意深く作業することに加えて、情報の管理方法を整えることが大切です。今回の5つは、紙やExcelでも始められます。

  1. 案件ごとの管理番号を統一する
  2. 書類に更新日時を残す
  3. 変更内容を記録する
  4. 確認項目を統一する
  5. 最新の書類を置く場所を決める

ただ、私の経験では、二重入力、メールとの食い違い、案件が担当者1人に閉じること、最新が埋もれることは、紙やExcelの工夫だけでは残りました。そこから先は、案件の情報を1か所にまとめる「仕組み」の話になります。私が作っているDEEPOTは、そこを目指した業務システムです。今の運用のどこで確認が重なっているか、探してみてください。

DEEPOTについて

DEEPOTは、展示会・イベント用品のレンタル会社向けの業務システムです。見積も、手配も、同じ案件から。数量や商品が変わっても、案件の明細を直せば、見積書・手配書を同じ情報から出し直せます。まずは営業から始められ、倉庫や配送は、今までのやり方を変えずに使えます。登録なしで触れる体験用の画面(架空のデータ)があります。今お使いの見積書や在庫表を1点もとに、DEEPOTでできること・今までどおり必要な作業をA4・1枚で比べる資料も、無料でお作りしています。